since 2018.01.01

1991年生まれのライター/千葉/ボカロ、歌い手界隈中心

米津玄師の曲の特徴


f:id:u-world:20180629215054j:image米津玄師を好きな理由。それは人それぞれ異なるが、米津玄師のどこがいいの?と聴かれたら、
私はこう答える。「あなた」と「あたし」を歌っているからと。


歌詞に登場人物が出てくると、聴く人は自分や他人に置き換えて曲を聴くだろう。米津玄師の曲にはある男女の出会いについて、書かれたものが多い。しかし、それは単なる恋愛話ではない。どちらかというと深い愛を歌っている曲。


米津玄師の曲に出てくる主人公は、味方がいないままひとりで戦っているという場合が多い。そして、その人はある日突然運命的な出会いを果たす。その出会えた人と一緒に過ごす中で、驚く程に人生が良い方向へ大きく変わっていくという話になっている。しかし、話はここで終わらない。最後には別れが来ることまでちゃんと歌っている。ここまで、物語がしっかりしているため、まるで本を読んでいるような気持ちにもなるくらい。米津玄師の曲は現実的など話が多いため、聴く者を感動させる。
実際に米津玄師もそういう経験をしているからこそ、このような歌詞をかけるのだと思う。

アイネクライネ

眼福

花に嵐

トイパトリオット

ホープランド

orion

春雷

かいじゅうのマーチ

例えばこれらの曲が、運命的な出会いをしたある男女の話が描かれている。

この中のアイネクライネのMVは米津玄師の描いた絵であり、サビで、ある女性の涙が零れるシーンがある。そのあとで、ある男性が女性を優しく守る様な目で見つめる。とても温かい気持ちになるし、本当に感動的。
あなたがいるだけで私は幸せだったというような話になっている。また、大サビの前の間奏部分でカラフルな映像が流れるところがある。この時に聴く人は色々なことを思い出したり、感情的な気持ちになったりするのではないだろうか。
色々な色が出てくる映像を作ったのは米津玄師の美術的な感性の素晴らしさだと思う。
また、曲に使われる音が自然を思い出させるような音だったり、曲によってはとても柔らかい音を使っていたりする。

米津玄師の魅力はいくつもあるが、米津玄師の言葉の選び方に関しては、才能に溢れていると思う。サラリと歌いこなす言葉一つ一つに美が感じられる。現代の人と思えない難しい言葉を歌詞に使うところも他にはない才能を感じる。例えば、春雷という曲では「たおやか」という言葉を使っているが、なかなか今の人が普段使う言葉ではない。しかし、米津玄師が使うとその言葉が開花されていくような感じ。

他にも、米津玄師に関しては、よく「あたし」と言う言葉を使う。米津玄師が口にする「あたし」は聴いてるものに対しての違和感が全くなく、むしろ綺麗に聴こえる。これも米津玄師であるが故の芸術的なセンスであり、魅力だ。ただの言葉を魔法にかけて、素敵な言葉に変換することのできる力を持っているようだ。アーティストは言葉をリズムに乗せて歌にして、人の心に言葉を届けるものだけれど、届ける言葉自体を洗礼してくれているような。一味違う印象。料理で言えば、何か少し隠し味を付けて料理を出したようなそんな感じ。

歌は作る、絵は描ける。書く文章も普通の人が書くような文章ではない。最近ではダンスも踊れることが判明。芸術的センスに光った人でありながら年は26才。
次は一体何をしてファンを喜ばせるのか。期待が持てる。米津玄師は今後も多方面で活躍出来るアーティストであることは間違いないだろう。